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元タカラジェンヌ 食と美のトビラ

元宝塚歌劇団 宙組組長・寿つかささん「いちばん好きな寿司ネタは、父が作った漬けまぐろです」【食のトビラ】

2023.08.18

――やっぱり寿さんはお寿司にこだわりがあるかなと思い、お寿司についてうかがいます。寿さんが考える、お寿司の魅力はどんなところでしょうか。

今朝、父ともその話をしたんです。父が以前からよく言うのが、「お寿司といわれるものが全部苦手という人はなかなかいない。だから人々に広く、それこそ海外のかたにも愛されるんじゃないか」ということ。握り寿司はネタの種類が豊富ですし、たとえば生ものがダメだったら生ものではない巻きものがあります。自分が好きなものを選べる楽しさと、食べる量も自分で決められる自由さが魅力のひとつなのかもしれません。にぎり寿司は1かんから頼めるので、少しずついろいろなネタが食べられますもんね。 

私は小さいころからお寿司を食べていたから、タカラヅカに入るまでそのありがたみがわかっていなかったですね。「ただいまー」と家に帰ったら、父が何でも出してくれたので。習い事に行く前にすぐに食べられるようにイクラのおにぎりを持たせてもらったりとか。常に身近にあったものだったんですよね。タカラヅカに入ってお寿司を食べない期間が長くなり、ありがたさを知りました。

――なんと! ごちそうの代表格みたいなものなのに……(笑)。

本当にそうですよね。今はたいへん感謝しています。

――お寿司のネタはなにがお好きですか?

先ほどの話と重なるのですが、おいしくいただくものがそのときどきで変わってきますね。小さいころは、イクラや中とろやうになど少し甘さを感じるものが好きでした。年齢を重ねて、お酢でしめたものや光りものなどを好むようになってきましたね。ハマるとまた大量に食べちゃうので(笑)。今のいちおしは、父が漬けてくれるまぐろのづけ。父のお寿司が大好物です。
Sussy’s Favorite
大好きなお父さまのお寿司。「ちらし、にぎり、巻きもの。いろんな種類があってネタもさまざま。この自由さと楽しさがお寿司の魅力のひとつだと思います」(寿さん)
――素敵なお話! お寿司はやはりお父さまの味というイメージですか?

そうですね。いろいろなお寿司屋さんでいただいてみると、酢めしの味、ネタとのバランスなど、それぞれ違うんですよね。やっぱり父のお寿司をいちばん長く食べてきてその味が身にしみついているから、落ち着きます。父の味がベースにあるからこそ、ほかのお店の味もいろいろと楽しむことができるのだと思います。

――ご実家にいらっしゃったころは、どんな料理が食卓に上がっていましたか?

父も母もお店に出てしまうため、平日は祖母が料理を作ってくれていました。それが和洋折衷のいろいろなもので、とってもバランスがよかったんですよね。おばあちゃんらしい煮もののほか、子どもが好きなハンバーグや餃子、カレーライスなど。

祖母は鹿児島の人だったので、南ならではの食材も多く、ゴーヤを使った料理や、沖縄料理にもあるジーマミー豆腐、さつまいもやあずきを使った手作りのお菓子もたくさん作ってくれました。

お店が休みの日曜日は、さすがに父がだれかに作ってもらった料理が食べたいということで必ず外食をしていました。外での食事が好きだったのもありますし、父の仕事の研究という意味もあったと思います、いつも2〜3軒をはしごするんです。だいたいお寿司屋さん以外でしたが、たまーにお寿司屋さんにも行ったり。外で食べると気分が変わってうれしくなっちゃって、すごい食べちゃうんですよ。「ふだん、食べさせてないみたいで恥ずかしい」と両親に言われたこともあります(笑)。

――それは食通になりますね。そんな寿さんにとって、「頑張った後にはここに行こう」とか「これを食べよう」というごほうび食は何ですか?

お稽古や公演期間になると限られた時間の中で忙しい毎日が続くので、時間を気にせずゆっくりと料理を味わうのがごほうびですね。お客としてお店に座り、父のお寿司をお通しからしっかり、おまかせで1かんずつゆっくりいただくのが、タカラヅカに入ってからの楽しみのひとつになりました。その時間がごほうびですね。今はもう父はお店を卒業してしまったのですが。それでも河岸に行くのは楽しみのひとつのようで、足を運んで魚を買ってきては家族にふるまってくれます。

料理って芸術作品だと思うんです。栄養が考えられていて味がおいしく、見て美しく、香りや音で楽しませてくれる。お皿の上の飾りつけだったり、お店のインテリアや食器、ちょっと置かれているお花など、トータルで完成されているもの。どこかに食べに行くと、味だけでなく総合的なあれこれにいつも感動します。でも一方で家庭の味にもそのよさがありますよね。食べる家族のことを考えて愛情をこめて作ってくれた料理。それぞれによさがあると思います。

退団後初出演&初主演となる、舞台「THE MONEY -薪巻満奇のソウサク-」についての話も披露!


――退団後の初舞台が、元宝塚歌劇団 七海ひろきさんプロデュースの小劇場のシチュエーションコメディということに驚きました。しかも主演で、「そうきたか!」と。

何かをしたくてタカラヅカを卒業したわけではなかったので、私も年内の活動再開は考えていなかったんです。ところが、七海プロデューサーこと、かいちゃん(七海さんの愛称)が連絡をくれたんです。主演ということで一瞬たじろいだ自分がいて、すぐにはお返事ができず「少し考えさせてください」と。でもこのような機会はなかなかないですし、なによりもこの舞台を作ろうと思ったかいちゃんのお話を聞いて心が動かないわけがないですよね。少し時間をいただいて考えているうちに挑戦してみたい気持ちが大きくなってきて、これを逃したら後悔すると思いお受けしたんです。

――出演者は宙組時代に苦楽をともにしてきたメンバーですよね。どんなことを楽しみにしていますか?

出演者を聞いたときに、喜びと驚きの歓声を上げました(笑)。舞台上でもオフでも、濃く楽しい時間を過ごしてきた仲間だったのでうれしかったですね。これは楽しい作品になるという思いと確信があります。この出演者なら絶対におもしろいものが作れるという期待に胸をふくらませています。私も頑張らなきゃ。

――出演者5人、それぞれみんなキャラ立ちしていそうですね。どんなストーリーなのですか?

私は、夫が突然いなくなってしまったミツキという主婦です。夫を探しているうちにある洋館にたどりつき、七海ひろきさん演じるアオイという謎の女性と出会います。そこで5000万円を突き出され、「これはあなたの夫が犯罪行為により手に入れた5000万円だ」と。その犯罪が3日後の正午に時効になるから山分けしないか……という話の流れは、何も起こらないわけはない! この洋館のマリという主人が緒月遠麻さん、5000万円の事件を調べているサエという刑事が伶美うららさん、マリがいつも頼んでいるフードの配達人が澄風なぎさん。この関係性もおもしろく、怪しさ満載です(笑)。
今までうかがうことのなかった寿さんの食事情は、とっても新鮮! ふだんの食事ではバランスを大事にしながらも、やっぱり好物はお父さまのお寿司というお話になんだかほっこりしました。出演作も新鮮! ライブ配信もあるので、ぜひチェックしてみて。

次回は寿さんの「美」についてお話をうかがいます。お楽しみに!

>>踊るようにポーズを決めてくださったアザーカットも!写真を全部見る

寿つかさ
ことぶき・つかさ/元宝塚歌劇団宙組組長。

1990年に76期生として宝塚歌劇団に入団。花組大劇場公演「ベルサイユのばら」で初舞台を踏み、組まわりを経て翌年雪組に配属。98年、宙組発足にともない宙組へ組替え。2005年に宙組副組長、08年には宙組組長に就任。23年「カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~」にて宝塚歌劇団を退団。8月23日より初主演となる舞台「THE MONEY -薪巻満奇のソウサク-」が開幕。
元宝塚宙組組長寿つかさ退団後初舞台&初主演
七海ひろき初プロデュース演劇企画
舞台「THE MONEY -薪巻満奇のソウサク-」
元宝塚歌劇団宙組組長の寿つかさが主演を務め、同じ宙組に在籍していた緒月遠麻、伶美うらら、澄風なぎ、そして座長として七海ひろきが出演する、舞台『THE MONEY』。個性豊かな5人が、小劇場演劇&シチュエーションコメディに挑む。本作品の脚本・演出は、ドラマや舞台で活躍する脚本家の保木本真也が担当する。謎解きやさまざまな仕かけをちりばめた新感覚ミステリーシットコム。これは、欲望渦巻く“5人の犯罪者”の物語だ。

【出演者】
寿つかさ
緒月遠麻 伶美うらら 澄風なぎ
七海ひろき

【脚本・演出】
保木本真也

【企画】
QQカンパニー

【日程・会場】
〈東京公演〉
2023年8月23日(水)〜27日(日)
CBGKシブゲキ!!

〈大阪公演〉
2023年8月30日(水)〜9月3日(日)
心斎橋PARCO 14F SPACE14

【ライブ配信】
配信プラットフォーム:Rakuten TV

〈東京公演〉
8月27日(日)13:00公演 全景視点(定点)
8月27日(日)17:00公演 物語視点(スイッチング)

〈大阪公演〉
9月3日(日)12:00公演 全景視点(定点)
9月3日(日)16:00公演 物語視点(スイッチング)

【配信詳細】
https://live.tv.rakuten.co.jp/content/455529/

【公式WEBサイト】
https://stage-the-money.com/
『元タカラジェンヌ 食と美のトビラ』 不定期更新・過去の連載はこちら>>>

撮影/天日恵美子 編集部 本人提供 文/淡路裕子

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